バイオリンは本体だけでなく、使用する弦によっても音色や表現の範囲が異なります。
しかし、見た目だけではわかりにくく、初心者であればどの弦を使用すればいいのかわからない方も多いのではないでしょうか。
今回は、そんなお悩みを持つ方に向けて、バイオリンの弦の種類やおすすめの弦について紹介します。
バイオリン弦の種類

バイオリンには、大きく分けて3つの種類の弦があります。「スチール弦」、「ナイロン弦」、「ガット弦」、そのいずれもがさまざまな素材でできており、持っている性質も異なります。
ここからは3つの弦について、それぞれ解説していきます。
スチール弦
スチール弦は、金属を芯材として作られており、力強い音量と丈夫でチューニングが安定しやすいのが特徴的です。
そのため、ほとんどのバイオリン初心者が最初にスチール弦を購入するといわれるほどです。
他の弦と比較すると少し金属的な音になるので、滑らかでやわらかい曲調とは合わないと考えられます。
どちらかというとクリアでハキハキとした元気のある曲を演奏するのに適している弦といえます。丈夫で長く使用することができ、さらに安価で購入できるので学校のコンクールや、子供用のバイオリンに使われることが多いです。
ナイロン弦
ナイロン弦は、名前の通りナイロンでできている弦のことをいいます。
実際はナイロンの他に人工繊維なども使われていますが、弾きやすく音質がいいところが特徴的です。
柔らかい印象の音色であり、安定性や耐久性にも優れているので、多くのバイオリン演奏者から好まれています。
ガット弦
ガット弦は動物(主に羊)の腸を、糸状の金属に巻きつけて作られた弦です。
柔らかく、滑らかな音色が特徴的です。しかし、自然のものでできているため寿命は短く、メンテナンスは定期的に行う必要があります。
手入れが難しいことから、プロや上級者がよく使用する弦として有名です。
おすすめのバイオリンの弦10選

ここからは、おすすめのバイオリン弦を紹介します。メーカーや素材によって、価格や素材が異なるのでぜひ自分に合った弦を見つけてください。
【スチール弦】ダダリオ「プレリュード バイオリン弦」
ダダリオのプレリュードバイオリン弦は、丈夫で耐久性が優れているソリッドスチールを芯線に使用しています。
ダダリオ独自の製法を活かして、なるべく機械的な音色にならないよう工夫されているため、弾き心地滑らかで温かみのある音色を奏でることができます。
【ナイロン弦】トマスティーク「インフェルドレッドバイオリン4/4」
インフェルドのバイオリン弦は、高度な合成繊維が芯に巻かれており、格弦の音色がバランス良く奏でられる設計になっています。明るく、広がりのあるトーンを作り出すことができるのが特徴的です。
【ナイロン弦】ピラストロ「エヴァピラツィゴールドバイオリン弦4/4」
ピラストロのエヴァピラツィゴールドのバイオリン弦は、「しっとり」や「奥深い」、「落ち着きのある」という意味が込められています。
音の反応や響きがよくパワフルな音色に加えて、さらには上品に感じる雰囲気を表現することが可能です。
【ナイロン弦】トマスティーク「ドミナント-バイオリン4/4」
トマスティークのドミナントは、初心者からプロまで多くのバイオリン演奏者が使用する人気のバイオリン弦の一つです。
音の立ち上がりが良く、はっきりとした音色が特徴的ですが、その中に温かく柔らかみのある雰囲気も混ざっているのが魅力的です。
チューニングがしやすく、手入れが簡単なことから初心者でも使いやすい弦だといえます。
【ガット弦】ピラストロ「パッシオーネソロ バイオリン弦4/4」
ピラストロのパッシオーネソロは、羊の腸を使用して一つずつ丁寧にハンドメイドで作られているバイオリン弦です。
ガット弦の弱点であるチューニングの不安定さを改良し、弾きやすく滑らかで美しい音色を奏でます。さらには、他のガット弦と比較してもパワーがあり、強い音を出すことも可能。ソロ演奏にもおすすめの商品です。
【ナイロン弦】トマスティーク「ビジョンソロ-バイオリン4/4」
トマスティークのビジョンソロは、ハリがあり存在感のある音色が特徴的で、ソロ演奏に向いているバイオリン弦です。
全ての弦の音のムラがなくバランスが取りすいのが特徴的で、深く豊かな音色が響き渡ります。耐久性もよく、手入れも楽なので多くのバイオリン演奏者が好んで使用します。
【ナイロン】ピラストロ「シノクサ バイオリン弦4/4」
ピラストロのシノクサは、そこまで知名度の高いバイオリン弦ではありませんが、滑らかで明るい音色を奏でることができます。
チューニングが安定しており、湿度温度の変化にも強い素材なので長持ちする点が魅力です。初心者にもおすすめできる弦の一つです。
【スチール弦】キクタニミュージック「バイオリン替弦」
キクタニミュージックのバイオリン弦は、海外のメーカーから取り寄せており、高品質で丈夫なのが特徴です。
安定した音色をバランス良く表現できる点がメリットで、他のバイオリン弦と比較しても、低価格で練習用や予備として持っておくこともおすすめです。
【ナイロン弦】ワーシャル「アンバー バイオリン弦」
ワーシャルのアンバーは、チューニングが安定しているガット弦を目指して作られたバイオリン弦です。
弦には特殊で高品質なシルクをコーティングしており、温かく豊かな音を奏でることができます。
また、E線がコイル状になっていることから、音の裏返りを防止することができ、幅広くさまざまな曲調のものを演奏することが可能です。
【スチール弦】OPIMA「ゴールドブロカット プレミアム ブラスバイオリンE線 4/4」
OPIMAのゴールドブロカットプレミアムは、伸びが良く力強い音色が特徴的です。また、他社のA・D・Gとも相性が良く、ゴールドを弦にコーティングすることで、丈夫で長持ちする非常に使いやすい弦といえます。
錆にも強い素材なので、手汗が気になる方でも安心して使用することができます。
たくさんメンテナンスをする必要もないので、とても扱いやすくおすすめです。
予備の弦を購入しておこう

今後、バイオリン弦を購入する際は予備の弦も一緒に買うことをおすすめします。バイオリン弦は、消耗品であり頻繁に新しいものと交換するのが一般的です。
一度切れてしまった弦は、もう使用することができません。
「練習中に弦が切れてしまったけど替えがない。」ということにならないためにも、予備の元は準備しておきましょう。
まとめ
今回は、バイオリン弦の購入を検討している方に向けて、バイオリン弦の種類やおすすめのバイオリン弦メーカーなどを紹介しました。
同じ素材の弦であっても、メーカーや使われているものが違うだけで、音色や表現が大きく異なります。
そのため、「演奏したい曲の曲調」、「出したい表現」によってバイオリン弦を選ぶことがポイントです。
ぜひ、これから購入しようと考えている方はバイオリン弦選びの参考にしてみてください。