バイオリンを購入する際、数多くあるバイオリンの中でどのメーカーを選ぶべきなのか悩む方も多いでしょう。
バイオリンを上達させるためには、教室や講師だけでなくバイオリン選びも重要なポイントの一つです。
今回は国内有数の老舗弦楽器メーカーである「鈴木」のおすすめ商品について解説します。
あわせて鈴木・メソードや、鈴木がバイオリン製作でこだわっているポイントについても紹介するので、鈴木のバイオリンが気になる方はぜひ参考にしてみてください。
鈴木のバイオリンとは

鈴木のバイオリンは、愛知県大府市の鈴木バイオリン製造株式会社によって製造されています。
創業は明治20年。1世紀以上の長い歴史がある会社で、創業者の鈴木 政吉の苗字から「鈴木」と名付けられました。
鈴木 政吉は、バイオリン製造の本場であるヨーロッパから持ち込まれた一台のバイオリンをモデルに、外国人の技術者の力を借りず、一からバイオリン製造を始めました。
今も彼の巧妙な技術は時代を超えて受け継がれており、プロのバイオリニストからも高い評価を得ているバイオリンメーカーです。
鈴木・メソードについて

鈴木・メソードとは鈴木 政吉の息子である、鈴木 慎一が行っていた教育法を使用した音楽教室のことです。
鈴木 慎一は世界でも認められるほどの天才バイオリニストでありながら、音楽教育家です。
「子供は教育法さえ良ければ、みんなちゃんと育つんだ」と述べ、特に幼い子供へのバイオリン教育に注力していたことで知られています
鈴木・メソードでは「反復練習」をすること、毎日の練習がいかに大切かということが語られています。
現在、鈴木・メソードは国内に約1万5千人、海外にはなんと40万人もの会員がいるほど。世界中の多くの有名バイオリニストも鈴木・メソードから学んだといわれています。
鈴木のおすすめバイオリン

世界的に有名なバイオリンブランドである鈴木。プロのバイオリニストたちも御用達の鈴木のバイオリンですが、鈴木のどのバイオリンを選ぶべきかわからない方も少なくありません。
ここからは、バイオリン初心者の方でも使いやすいおすすめのバイオリンを5つ紹介します。
ぜひバイオリン選びの参考にしてみてください。
No.230 Outfit
No.230 Outfitは、鈴木のビギナーズモデルの定番で世界的に人気のあるロングセラー商品です。
手作業で丁寧に作り上げられたボディは音響にも非常に優れており、低価格とは思えないほどのクオリティでバイオリン演奏者から大人気。
調弦しやすいアジャスター内蔵型のテールピースのため、初心者でも安心して使用できる商品です。
No.210 Outfit 初心者セット
No.210 Outfitの初心者セットはプレス甲を使用していることから耐久性に強く、かつ柔らかく落ち着いた音色が魅力のバイオリンです。
初心者でも綺麗な音を出しやすいため、モチベーションを高く保ちながら練習し続けられるのもNo.210 Outfitの魅力。
鈴木ならではのこだわりである樹脂系原料のラッカという塗装を施しており、木本来の味わいを出しています。
また、テールピース(駒の下の木の部分)はアジャスター内臓型のものが採用されているため調弦しやすいのも魅力です。
初めてバイオリンを購入する方でも、比較的使いやすくお手入れしやすい商品でしょう。
鈴木・バイオリン SUZUKI / 330(バイオリン 1/4~1/10)
鈴木のバイオリン SUZUKI / 330は、アウトフィットシリーズに比べると価格は少し上がりますが、音量に深みがあり美しい音色を奏でるのが特徴です。
使いやすさだけでなく美しい木目と鮮やかなルックスも人気の理由の一つ。練習用バイオリンの定番商品なので、初心者からも人気の商品です。
鈴木・バイオリン SUZUKI / 540(バイオリン 4/4~1/4)
鈴木のバイオリン SUZUKI / 540は、ヨーロッパ原産の自然乾燥されたスプルース材、メイプル材を使用し、伝統的な技術をもつ職人により製造されています。
ニスの塗り方に非常にこだわって作られているため、音量や音色のバランスが良い優秀な商品です。
一音ずつはっきりと発音し、存在感のある音色を奏でることができるので、独奏や他楽器との合奏にぴったりの商品。
少し価格は上がりますが、価格以上の品質が期待できます。
鈴木・バイオリン SUZUKI / 550(バイオリン 4/4~1/4)
鈴木のバイオリン SUZUKI / 550は、厳選した良質なスプルース材が使用されており、上品な見た目と頑丈なボディが特徴です。
しっとりとした落ち着いた印象の音色と、フレーズの流れが表現しやすいことから、表現力豊かで抑揚のある演奏の手助けをしてくれます。
音量は大きいにも関わらず、上品な音を奏でる魅力的な商品です。
鈴木のバイオリンへのこだわり

数多くのメーカーやブランドで、あらゆるこだわりを持ってバイオリンが製作されています。
ここからは、鈴木ならではの「バイオリンへのこだわり」について素材加工・手工・塗装の3つに分けて紹介します。
素材加工
鈴木のバイオリン製造では、ボディに使用される素材の加工に非常にこだわっています。
ドイツから乾燥したブロック状の良質な材料を輸入し、輸入後も職人によってグレード別に選定・振り分けが行われるのが流れです。
選別したあとは5〜10年もの長い間をかけて丁寧に自然乾燥させ、最良の状態を保つ工夫をしています。
手工
鈴木のバイオリン製作では、美しい音色や音質を奏でるために、手工で行うこだわりがあります。
鈴木には熟練した職人が多く集まっており、一つひとつの工程に職人が携わります。パーフリング(バイオリンを正面からみた時にボディの両サイドに見える黒い線)や表板・裏板削りなど、細かな作業を全て丁寧に手工されているのが鈴木の魅力です。
塗装
鈴木のバイオリン製作では、「バイオリンの顔」とも呼ばれるボディの塗装にこだわっています。
バイオリンのボディは下地塗りからニス塗りまで、回数を重ねて木に染み込むように綺麗に塗らなければなりません。
品質にもルックスにもこだわっているのが、鈴木のバイオリンです。
まとめ
今回は鈴木のバイオリンの購入を検討している方に向けて鈴木バイオリン製造や創設者、鈴木・メソードについて解説しました。
鈴木では長年培われたバイオリン製造の技術と、歴史深いブランド力が今もなお世界中で受け継がれています。
バイオリンは一つひとつが手作りで、とても繊細な楽器です。バイオリンの上達を目指すのであれば、自分にぴったりの一台を選ぶことが最も大切でしょう。
これからバイオリン選びをする方は、ぜひこの記事もお役立てください。