【ジブリ:耳をすませば】なぜ実写版ではバイオリンではなくチェロ?

二人の若い男女の甘い恋物語を描くジブリの人気作品「耳をすませば」。

2022年に実写版の映画の公開が決まり、楽しみにしている方も少なくないでしょう。

そんな話題の実写版ですが、アニメと比較するとストーリーや人物設定が異なっていることで、ファンからは驚きの声も。

中でも大きな違いは、主人公である天沢聖司が演奏している楽器が、バイオリンではなくチェロに変更されている点です。

今回は実写版「耳をすませば」に注目し、なぜバイオリンではなくチェロが使われたのか、考えられる理由について解説します。

あわせて、映画の主題歌やバイオリンの街「クレモナ」についても紹介しますので、ぜひ映画を見る前に読んでいただければ幸いです。

ジブリの名作「耳をすませば」が実写化決定

引用元:松竹映画『耳をすませば』公式ページ

2022年の10月にジブリの名作「耳をすませば」の実写版が公開予定です。

「耳をすませば」では、夢に向かう男女の淡い青春ラブストーリーが描かれています。

アニメでは、本が大好きで作家を夢見る少女(月島雫)と、プロのバイオリン職人を目指す少年(天沢聖司)が登場します。

一方、実写版では天沢聖司の夢はチェロ奏者として描かれています。

アニメを見た人にとっては、「バイオリン職人を目指しイタリア留学を夢見ていた少年の印象」が強く「どうしてチェロ奏者?」と、疑問に感じる方も多いのではないでしょうか。

さらに、実写版では10年後のオリジナルストーリーが加えられているのが見どころの一つ。

アニメと比較しながら、少し異なる「耳をすませば」を楽しむのも良いですね。

実写版ではバイオリンではなくチェロが使われている2つの理由

引用元:STUDIO GHIBLI公式ホームページ『耳をすませば』

実写版の「耳をすませば」で最も話題となっているのが「なぜ天沢聖司がチェロ奏者?」という点です。

ここからは、どうして天沢聖司の夢がバイオリン職人ではなくチェロ奏者になったのか、考えられる3つの理由について解説します。

あくまで考察のため、参考程度に読んでみてください。

理由①音色が映画に合う

「耳をすませば」の主人公である天沢聖司が「チェロ奏者」になっていたのは、チェロの音色が映画の雰囲気に合うからではないかと考えられます。

チェロの音域は、バイオリンと比較すると中低音で深く力強い音を奏でるのが特徴です。

実写版では、大人になった二人の様子も描かれるため、落ち着いた低音のチェロが大人の二人を表現するのにぴったりです。

もしくは「耳をすませば」の原作ができて20年もの時が経っていることもあり、新たなオリジナル作品にしたかったという可能性もあるでしょう。

理由②チェロ奏者の方がビジュアルが良い

バイオリン職人よりもチェロ奏者の方がビジュアル的に良いというのも、もしかすると理由の一つかもしれません。

バイオリン職人はどちらかというと裏方の仕事であり、バイオリン演奏者でない限り馴染みのない職業です。

視聴者が世界観に入り込みやすくなるためにも、黙々とバイオリンと向き合って仕事をしている姿でなく、表舞台での主人公の活躍がみられるチェロ奏者を選んだ可能性もあります。

理由③バイオリンより習得しやすい

実写版の「耳をすませば」で、主人公の夢の設定がチェロ奏者になっていたのは、チェロの方がバイオリンより習得しやすいという理由が考えられます。

チェロはバイオリンと比べると、特に持ち方の面で負担が少ないといわれています。

バイオリンは左手で楽器を持ち(右利きの場合)、アゴで上部を挟みます。バイオリンの持ち方は初心者にとっては見た目以上に難しく、正しいフォームになるまで時間がかかります。

一方、チェロは座って抱きかかえながら演奏するため、体への負担が少ないのが特徴です。

実写版で俳優たちが演技する上でリアルに再現する場合、若干ではありますがチェロの方が難易度が下がると判断した可能性は高いと考えられます。

「耳をすませば」の主題歌「カントリー・ロード」

「耳をすませば」では、主人公の天沢聖司がバイオリンでカントリー・ロードを演奏する人気のシーンがあります。

カントリーロードは、アメリカのシンガーソングライターが作曲した1971年のヒット曲です。

「故郷へ帰りたい」という想いが込められた歌詞で、今や誰もが知る名曲です。

「耳をすませば」で歌われている歌詞は原曲の英語の歌詞とは異なりますが、歌詞の内容が映画の物語と繋がっています。

夢に向かって努力する若い男女にぴったりな歌詞なので、ぜひ一度じっくりと聴いてみてください。

耳をすませばの会話に出てくるクレモナとは?

「耳をすませば」の物語のワンシーンで、主人公の天沢聖司が「中学を卒業したらイタリアのクレモナという町のバイオリン制作学校へ行きたい」と言います。

クレモナとはどのような場所なのか、気になった方も多いのではないでしょうか。

ここからは、バイオリンの街と呼ばれる「クレモナ」について解説します。

場所はイタリア

クレモナはイタリアのミラノから車で約3時間のところにある都市で、バイオリンやビオラなどの弦楽器制作で有名な街です。

優れた伝統技術は「クレモナの伝統的なバイオリンの工芸技術」として世界的に認められています。

多くの凄腕のバイオリン職人たちが集まるクレモナは、職人にとって夢の街といえるでしょう。

バイオリン製作学校がある

クレモナには有名な弦楽器製作学校「The International Violinmakers School Cremona」があります。

バイオリンが美しい音色を奏でるかどうかは、製作した職人の腕にかかっていると言っても過言ではありません。

バイオリン職人になるためには、プロの職人に弟子入りする前に製作学校で専門知識と伝統技術を身に付ける必要があります。

クレモナの伝統技術や製作知識を学びたいと、日本から留学する生徒も少なくありません。

まとめ

今回は、ジブリの名作「耳をすませば」の実写版で「なぜ天沢聖司がチェロ奏者に?」と、疑問に思う方に向けてチェロが選ばれた理由を解説しました。

ジブリのアニメは美しい絵のタッチとかわいいテイストが魅力です。

実写版ではどうしてもアニメを細かく再現することが難しいため、人物設定やストーリーを変えて工夫する必要があるのでしょう。

アニメと実写版、いずれも美しい景観とジブリの世界観溢れる魅力的な作品に間違いありません。ぜひあなたも、両方を見比べて、それぞれの世界観を楽しんでみられてはいかがでしょうか。

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