バイオリンで「カノン」を弾く際の3つのポイントとは?

数多くあるクラシックの中でも非常に有名な曲「カノン」。せっかく有名な曲を演奏するのであれば、上手に演奏したいものです。

この記事では、バイオリンでカノンを美しく演奏するための3つのポイントと注意点について解説します。

あわせて、カノンに挑戦するまでのおすすめ練習曲も紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

カノンとは

カノンは有名な作曲家パッフェルベルが作曲した世界的知名度を誇る名曲です。

カノンとはギリシア語で「法則」・「規則」という意味があります。同じメロディを規則に従って重ね、3つの同じメロディーを輪唱するのが特徴です。

有名な曲では「カエルの歌」、さらにはベートーベンが作曲した「歓喜の歌」がカノン形式の楽曲として有名です。

パッフェルベルは単純で明るい曲を好む作曲家だったため、彼の楽曲にそれほど複雑なものはありません。

バイオリン演奏者なら一度はチャレンジしてみるべき楽曲です。

カノンの作曲家について

カノンを作曲したのはヨハン・パッフェルベルというドイツの作曲家です。

パッフェルベルは17世紀後半、当時最も有名なオルガン奏者として活躍していました。

彼は一流の音楽家や先生たちから音楽教育を受け、その才能を伸ばしてオルガン演奏者だけでなく作曲家としても一躍有名になりました。

パッフェルベルは宗教声楽曲やオルガン曲を中心に多くの作品を残しています。

パッフェルベルのカノン演奏ポイント

カノンのような知名度の高い名曲ほど、上手に演奏しなければと演奏時にプレッシャーを感じてしまいがちです。

ここからは、カノンをバイオリンで美しく演奏するための3つのポイントを紹介します。

スピードやテンポを守る

カノンを演奏する際は、急がずテンポを守って弾くことが大切なポイントです。

カノンの唯一の難関ポイントといえば16分音符のパート。指の順番が覚えられないとどうしてもテンポが早くなり、曲全体の流れを乱してしまいます。

まだ楽曲に慣れていない段階ではゆっくりと弾き、少しづつ慣れてきたところで苦手なパートだけをゆっくり丁寧に弾きましょう。

確実な練習法で一つずつ苦手なパートをなくしていくと、テンポを守って演奏できるようになります。

どうしてもテンポやスピードがつかめない場合は声に出して歌う、またはメトロノームを使用するのがおすすめです。

自分の奏でる音をよく聴く

パッフェルベルのカノンはバイオリンやチェロ、アンサンブルなどさまざまな楽器と一緒に演奏するのが基本です。

そのため、自分のパート以外の箇所でも、今どのパートが演奏されているのかを常に把握しておかなければ、一つの曲として成り立たなくなってしまいます。

まずは自分の奏でる音をよく聴き、余裕が出てきたら他の楽器や演奏者のパートにも耳を傾けてみると良いでしょう。

音階練習をしておく

カノンは音階が綺麗に並んでいるのが特徴です。そのため、より美しくカノンを演奏したいのであれば音階練習は必須となります。

音階練習を繰り返し行うことで、音程感が身に付き、ポジショニング移動がスムーズにできるようになります。

おすすめは鏡の前でチューナーやメトロノームを使用する練習法です。

音階練習や基礎練習は後回しにされがちですが、最初の20〜30分に取り入れるとその後の練習の効果も高まるでしょう。

バイオリン初心者がカノンに挑戦する際の注意点

「カノンに挑戦したいけれど、どの楽曲を選べば良いのかわからない」という方もいるでしょう。

ここからは、バイオリン初心者がカノンに挑戦する際に気をつけるべき2つの注意点を紹介します。

初心者向けに改良された楽譜を選ぶ

バイオリン初心者がカノンに挑戦する際、自分のレベルに合った楽譜を選ぶことが重要です。

カノンの楽曲は最初は難易度が低いように思えますが、だんだん難易度が高まっていきます。

パッフェルベルのカノンには、たくさんの改良版が作曲されているので、まずは簡単なものから挑戦してみると良いでしょう。

基礎を身につけるのが前提

バイオリンを綺麗に演奏するためには、基礎を身に付けるのが大前提です。

ポジショニング移動の練習や音階練習など、練習曲に入る前に指慣らし程度に取り入れるのがおすすめです。

実際、演奏する楽曲の難易度が高まるほど、基礎のスキルが求められます。

名曲を上手に演奏できるように、まずは基礎をしっかり固めておくことがとても大切です。

カノンに挑戦するまでのおすすめ練習曲

バイオリン初心者の中には、名曲であるカノンを演奏する自信がない方もいるでしょう。

ここからは、カノンに挑戦する前に練習曲として使っていただきたいおすすめの楽曲を紹介します。

カエルの歌

誰もが一度は耳にしたことのあるカエルの歌。カエルの歌もまたカノンと同様に輪唱曲として有名な楽曲です。

音階が順番に並んでいるため、音階練習や正確なポジショニング練習にもぴったりの一曲です。

知っている曲だからこそミスやズレに気づきやすく、自分で修正しながら演奏することができます。

カノンの練習曲を探している方は、まずはカエルの歌から練習してみるのをおすすめします。

メヌエット

有名な作曲家バッハが作曲したメヌエットは、バイオリンだけでなくピアノや他の楽器でも長年親しまれている楽曲です。

音階練習や少し間隔の開いたポジショニング移動の練習にも最適です。

表現力も求められる楽曲なので、きっと今後のバイオリン演奏に役立つ一曲でしょう。

まとめ

今回は、パッフェルベルの名曲カノンに挑戦したいバイオリン初心者の方に向けて、カノンを美しく演奏するためのポイントを紹介しました。

知名度の高い曲であればあるほど難しいスキルが必要であると思われがちですが、最も求められるのは基礎のスキルです。

特に、カノンのような音階の連なった楽曲は、正確なポジショニング移動と音程感が必須です。

まずは、自分のレベルに合った楽譜探しから少しずつレベルをあげて挑戦してみましょう。

バイオリンでカノンの演奏に挑戦したい方に、この記事を少しでもお役立ていただけると幸いです。

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